父親は息子を見放し、母親は内緒で過保護、過干渉をくり返してきました。
ある冬の日の早朝、青年は何もかも行き詰って投げやりになり、みんなに迷惑をかけている罪悪感にさいなまれ、命を絶とうと冬の海に入って行きました。

砂浜には、免許証と上着が脱ぎ捨てられており、沖に頭だけ浮かんでいる彼を発見し、「死んじゃダメだぁ~、一緒に生きよう!」と引き寄せる私の手を振り切り、「死なせてくれ!オレみたいな親に迷惑かけないと生きていけない人間は、生きてちゃいけないんだぁ~!」と必死に抵抗する彼。
大波に飲み込まれそうになる中、全身の力を振り絞ってようやく、砂浜に彼を引き寄せました。
彼の心の痛みが、かつての自分の痛みと重なり、‥私の回復のために真剣、必死、本気で関わってくれた恩師の温かいまなざしがよみがえり、‥引きこもる青年たちの心の回復のために、多角的・総合的な中間施設を作ろうと、心に刻みました。
あれから8年。‥フリースクール、居場所、寮、就労支援に加えて、相互回復の場としての老人介護(デイサービス・宅老所)、ファミリーホーム、自立援助ホームが立ち上がり、そして、「ひきこもり地域支援センター」設置に向けて今年9/20日に、県庁障害福祉課・橋浦課長に要望書を提出しました。
<力添えをいただいた石橋、庄子県議会議員(公明党)と、全国引きこもり親の会連合会KHJ宮城県「タオ」の皆さん、NPO法人まきばフリースクールのスタッフと一緒に>
宮城県より事業の運営委託が認められれば、引きこもり青年への積極的・本格的なアウトリーチ(訪問支援)がスタートします。‥乞うご期待下さい。
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